写真はピントが命!確実なピントの合わせ方

撮っている時には気づかない恐ろしい事実、それは「ピンボケ」です。撮影後パソコンで見るとどれもこれもピントがあまい。肝心なところにピントが来ていない。もう悲劇です。とくに大切な撮影の場面ではピンボケ写真だけは避けたいものです。少々構図がイマイチでも、ピントさえバッチリ合っていれば後でトリミングすれば良い写真になります。ちょっとピンボケな写真も雰囲気が良ければ私は好きですが、やはりピントを外さないようにきっちりとシャープな写真が撮れるようになりたいですね。

ピンボケ

ピントはどこに合わせる?

画面内のどこにピントを合わせれば良いのでしょうか?正解は「見せたいもの」です。何を撮りたいのか?被写体のどこに魅力を感じるのか?主題となるものにピントを合わせると撮影者の意図が伝わる写真になります。人物撮影なら顔や目にピントを合わせるのが一般的ですね。ピントを合わせる場所に迷ったらとりあえずピントの位置を変えて何枚も撮りましょう。そして後から見比べてみて自分の表現に適した一枚、しっくりくる一枚があるはずです。ピントの合わせ方は大きく分けて二種類の方法があります。

 

◉フォーカスロックで合わせる

 

ピントを合わせてからフレーミングを変える方法です。オートフォーカスの設定はAF-Sに設定します。ピントを合わせたい被写体を画面真ん中に置いてシャッターを半押ししてピントを合わせます。そのままシャッター半押しの状態でフォーカスがロックされたままフレーミングを変えて撮ります。ただしフォーカスロックは明るいレンズの絞り開放側で撮るときや、近距離撮影の時は角度のズレが生じるので、わずかにピントがずれてボケてしまうことがあります。

 

◉フォーカスエリアを選択する

 

フォーカスロックとは逆にフレーミングを決めてからピントを合わせる方法です。同じくオートフォーカスの設定はAF-Sに設定します。先にフレーミングを決めたら、ピントを合わせたい被写体にフォーカスエリアを十字キーで動かして合わせてください。液晶にタッチフォーカスの機能がついていれば便利ですね。三脚使用時や同じ構図で何枚も撮影するときはこの方法が便利です。

 

ピントが合いにくい状況もあり

ピントが合いにくい状況や、カメラのオートフォーカスが苦手な被写体もあります。

 

◉ 遠くて暗い被写体

◉ 背景の色と同色の被写体、色のコントラストが少ないもの

◉ ビルの窓のように連続する模様や繰り返しパターンのもの

◉ 檻の中の動物など、フォーカスエリア内に距離の差がある場合

ピーキングを活用して「ピントの山」を見つける

上にあげたカメラが苦手な被写体や夜の撮影ではピント合わせが難しい状況です。繊細なピント合わせをするなら設定をオートフォーカスではなく、マニュアルフォーカスに切りかえてみましょう。ピントリングを回して手動で自分の好きな位置にピントを合わせることができます。その時にカメラの設定でピーキングという機能を使うと、ピントの合っている部分が白色や赤色などの線で目に見えるので、初心者でもマニュアルでピント合わせが簡単にできます。この機能を使ってピントを合わせたい位置にピントリングを左右に動かしながら微調整しましょう。輪郭がはっきりと一番鮮明に見える部分がいわゆる「ピントの山」というものです。まずは動かない被写体でピーキングを使用してマニュアルフォーカスの練習をしてみてください。自分の意図通りにきっちりとピントの合った写真が撮れるようになれば格段に写真の腕は上がります。

手ブレや被写体ブレにも注意

ピンボケ以外にも写真をイマイチに仕上げてしまうのが手ブレと被写体ブレです。全体的にモヤっとしていて被写体がはっきりしていないのはピンボケですが、一方向に少しズレがあるものはブレです。シャッターを押す瞬間にカメラがブレてしまうことで生じる「手ブレ」と、カメラは固定していたが被写体が動いてしまい被写体だけがブレているのが「被写体ブレ」です。手ブレ、被写体ブレともにシャッタースピードを速くすることで回避できます。手ブレに関してはカメラの構え方を見直すことでも改善されます。まずは撮影後の写真を見て「ピンボケ」「手ブレ」「被写体ブレ」を見分けられるようにしましょう。

ピンボケ

スローシャッターだったので手ブレしてしまった例

ピンボケ

こちらもスローシャッターのため被写体ブレしてしまった例

最近のカメラの性能はとても優れていて、キヤノンのEOS R5はカメラボディとレンズ両方の協調制御で8段分の手ブレ補正効果があるとか。くしゃみしながらシャッター切ってもバッチリピントが合いそうなすごい性能ですね。またパナソニックは撮影した後からでもピント位置を変更できるというすごい機能を持ったカメラもあります。このようなカメラの性能に頼るのもアリですが、ピンボケやブレは後から修正もできないので、撮影時にきっちりと撮れるように練習しましょう。

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