奈良の龍王ヶ淵でリフレクション撮影
今回は奈良県宇陀市の撮影地情報です。「龍王ヶ淵」という水鏡で有名な池の撮影に行ってきました。水や水面に写り込む景色を撮影することを水鏡撮影やリフレクション撮影と言います。南米ボリビアのウユニ塩湖の写真が有名ですね。
【龍王ヶ淵へのアクセス】
名阪国道の針インター交差点からR369号を南へ3.2km、外の橋交差点を左折して3.1kmの点滅信号で右折(ここから1車線)、1.3kmで案内板を右折すると250mで右側に駐車場があります。
※ 水辺なので4月以降はマムシにご注意ください。長靴で行った方が安心です。
これから新緑シーズンになるので撮影には良い時期です。新緑が池に写り込み、美しい水鏡が撮影できます。冬には雪景色も美しいようです。天の川や朝日の撮影でも有名なスポットですね。夏から秋にかけては水草が増えてしまい、水鏡が見えにくいようなので今の時期が最適です。水鏡を撮影するには無風状態であることが絶対条件です。天気予報で風予測をみてから行ってください。比較的早朝は風が穏やかということです。
リフレクション写真の撮り方
池や湖など波のない水面で撮影できますが、リフレクション撮影は身近な場所でも撮影することができます。たとえば雨上がりの水たまりをよく見てみてください。いろんな角度から見ると空の雲や周りの建物、自分の脚もとなどがうっすら写り込んでいると思います。水だけではなくピカピカに磨かれた木の床やテーブル、フローリング、大理石なども周りの景色が写り込みます。
龍王ヶ淵は池の周りを周回できるように道があります。水鏡の最適な撮影場所は、駐車場からすぐのところにある東屋が良い撮影ポイントです。
神秘的すぎます!!深い緑が印象的ですね。池の名前からしても龍が出てきそうな雰囲気です。風も穏やかで静かです。一本の木だけ前のめりになっているのが良いアクセントですね。
【カメラ設定のポイント】
◉絞り優先Aモードで撮る
風景撮影なんで絞り優先にしてF8〜F11ぐらいが良いでしょう。ピント位置は左側の前のめりになっている木に合わせています。
◉露出補正を使う
露出補正で少し暗いめ(マイナス補正)に調整してみました。そうすることで池に緑の木々が写り込んできます。
◉構図は二分割構図
リフレクション撮影では一般的な構図です。実像と反射面をきれいに二分割します。撮影意図や表現によって他の構図もありです。バリエーションを増やしましょう
◉三脚を使用する
カメラの水平をきっちりとるようにしてください。できれば三脚を使用して撮影するのがベストですが、手持ち撮影の場合はファインダー上にガイド線を表示させるか、水平器を表示させて構図を決めましょう。
足元に草がたくさん生えていますので構図に入れてみました。池の向こう側には小さく人が写っています。平日に行ったのですがカメラマンが撮影に来ていました。やはり人気の撮影地のようですね。
リフレクション撮影の最大の問題は風です。風が強く吹いてしまうと水面に揺らぎがでてしまうので写り込みはしません。このように水面が白く波立ってしまい、池の波を撮っただけの写真になってしまいます。ただひたすら風が止むのを待つのみです。
駐車場近くにあった宇陀消防署の山林防火と書かれた看板が芸術作品かと思うほどのクオリティです。龍は水の神様でしたね。龍王ヶ淵の西側にある堀越神社は古くから雨乞い神事が行われてきたとか。
池の水も美しいです。空の青色がきれいに写り込みます。
露出補正で少しマイナス側へ。空の青と白い雲が写り込むように補正します。こちらは龍王ヶ淵の西側になります。朝日や天の川の撮影スポットです。天の川は5月なら午後11時から午前4時ごろまでだそうです。天の川も風がなければ池の水面に星がきれいに写り込むそうです。
近くには室生寺や磨崖仏もあり
龍王ヶ淵の近くには他にも撮影スポットがあります。「女人高野」として有名な室生寺というお寺があります。このお寺は土門拳さんがいくらでも撮れると写欲を爆発させた山寺です。有名な五重塔があり、春の桜、5月にはピンクのシャクナゲ、雪景色など五重塔を入れて風情のある写真が撮影できますよ。そしてここの美しい仏像たちもぜひ見てください。仏像は撮影できませんので心の目に焼き付けましょう。お寺の入り口近くで売っているよもぎの回転焼きがめちゃくちゃ美味しいのでそちらもおすすめです!
さらに近鉄室生口大野駅から徒歩で5分の場所にある大野寺弥勒磨崖仏というものが宇陀川沿いにあります。これがびっくりするほど大きいんです。
わかりますか?岩壁に弥勒磨崖仏が彫り込まれています。1208年鎌倉時代のものだそうです。像高は約12メートルで9日間で完成したとか?東大寺の仁王像といい、鎌倉時代の仏師たちは仕事が早いです。室生寺から近いのでこちらもぜひ見に行ってみてください。