マニュアル露出を決定する「サニー16」とは?

フィルムの値上げ、供給不足が続いていますね。撮影して現像して、スマホに転送するかCD-Rにデータ化まで。1回のシャッターで缶ジュース1本買えるぐらいの値段ですよね。できる限りフィルム一枚一枚を大事に使いたいところです。

 

フィルムカメラに失敗はつきもの。失敗から生まれる傑作もあるわけで、現像して見るまでどんな風に写っているのか分からないところがフィルムカメラの醍醐味でもあるわけですが、できるならある程度「どんなふうに写すか」というイメージができると失敗写真も少なくなります。

 

ここは少しオーバー気味(明るめの写真)にしようとか、この場面はアンダー気味(暗めの写真)の方が雰囲気が出るな、とか。ある程度「露出」をコントロールできれば自分の思い描くイメージに近い写真を撮ることができます。

 

そこで今回のお話はフィルムカメラの「露出」についてです。カメラに露出計がついていても壊れていたり、マニュアル機だから自分で露出を決めないといけない場合、初心者の人にとっては全く使い方がわからず戸惑ってしまうと思います。スマホアプリの露出計などもあり便利な時代ですが、自分で「露出」を決定する便利な方法を解説します。

サニー16

マニュアル露出の目安は「サニー16」を基本にする

マニュアル機の場合、ISO感度はカメラ側のダイヤルで合わせられますが、シャッタースピードと絞りはどう設定すればいいのでしょうか?ここで役に立つのが「サニー16」ルールというものです。

 

海外では「Sunny Sixteen」と呼ばれ、なんだか60年代オールディーズの曲名のようにも聞こえますが、日本ではカメラマンの渡部さとる氏により「感度分の16」と呼ばれています。これは

 

「晴天の場合、シャッタースピードは感度分の1、絞り(F値)は16で適正露出となる」

 

というもの。つまり

 

晴天時にISO感度100のフィルムを使う場合、シャッタースピードは1/100、絞りはF16で撮影すると適正露出になるということです。カメラ側に1/100はないので近似値の1/125、F16の設定となります。

ISO感度400の場合はシャッタースピード1/400になるので近似値の1/500、F16となります。

 

地球上の光は太陽から降り注ぐものなので、世界中どこの場所であっても晴天であれば同じ露出になり、サニー16ルールを使って適正露出で撮影できます。

サニー16

晴れなら「センパチ」もあり

「サニー16」と同じことですが「センパチ」という言葉もあります。

これは晴れならセンパチ、つまり

 

晴天の場合、ISO感度400のフィルムを使う場合はシャッタースピードは1/1000、絞りはF8で適正露出となる

 

ということです。

 

「センパチ」はISO感度400のフィルムを使うことを基準にしているのでいろんな感度のフィルムを使う場合「サニー16」「感度分の16」の方がわかりやすいと思います。

 

「サニー16」「感度分の16」「センパチ」どれも共通なのが暗い場所、くもりの日、日かげは2段上げるということです。

 

シャッタースピード側で調整するなら 1/500→1/125

絞り側で調整するなら F16→F8

 

になります。「2段上げるってなに???」という人は次の項目を読んでください。

サニー16

カメラの「段」とは

よく聞く言葉ですね。「1段絞る」、「2段開ける」など。

 

これは光の量を調整するEV(Exposure Value)という単位を「段」という単位で表したものです。適正露出の0EV=0段を基準に段を調整して明るさを変更します。

 

露出を1段上げる→光の量が2倍になる(明るくなる)

露出を1段下げる→光の量が半分になる(暗くなる)

と覚えておいてください。

 

2段上げるということは露出を2段分上げて明るくするということです。明るさを調整するには絞りかシャッタースピードで調整をします。

【絞りの1段】

サニー16

※絞りは2倍ではなく√2倍(約1.4倍)の計算になります 

【シャッタースピードの1段】

サニー16

【ISO感度の1段】

サニー16

ISO感度400のフィルムを使って晴天時に撮影をする場合の適正露出は

 

シャッタースピード 1/400(近似値1/500)  絞り F16

 

◉ 1段明るく(オーバー気味)にしたい場合

 

シャッタースピードで調整するなら 1/250  F16

絞りで調整するなら 1/500  F11 

 

◉ 1段暗く(アンダー気味)にしたい場合

 

シャッタースピードで調整するなら 1/1000  F16

絞りで調整するなら 1/500  F22 

 

ネガフィルムはラチチュード(露出寛容度)の幅が広いのでシャドー部からハイライト部の階調が豊富です。多少露出を外しても問題ありません。

 

ネガフィルムはラチチュードの広さから多少オーバー気味に撮影するのが良いとされています。逆にデジカメはオーバー気味に撮影してしまうとハイライト部のデータはRAWであっても補完することはむずかしいため、アンダー気味に撮影するのが良いとされています。

 

サニー16ルールを使って自分で露出を決めて撮影をしてみましょう。練習をするならデジカメでいろんな場所の露出を自分で決めて撮ってみるといいですね。ぜひ「サニー16」ルールを使ってみてください。

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