カメラのシャッターが切れない!トラブル解決法
ある日突然カメラのシャッターが切れなくなることがあります。「故障した!」と思ってしまいますが、使用上の問題であることもあります。まずは落ち着いて確認をしていきましょう。今回はカメラのシャッターが切れない時の対処方法を詳しく解説します。知っておくといざという時にシャッタートラブルに対処できるようになります。
シャッタートラブルの主な例
◉シャッターが切れない
◉シャッターが遅れて切れる
AF(オートフォーカス)の設定でピントが合っていない
カメラが自動でピント合わせをしてくれるオートフォーカスの設定にもいろいろあります。設定で「フォーカス優先」になっているとピントが合わないとシャッターが切れないようになっています。シャッターが切れないからといってカメラの故障と判断せず、一度カメラのフォーカス設定をマニュアルフォーカスに設定してみてシャッターを切ってみましょう。その時にシャッターが問題なく切れるようでしたらピントが合っていないためシャッターが切れないと考えられます。また「フォーカス優先」から「レリーズ優先」に設定を変えるとピントが合っていなくてもシャッターが切れるようになります。ただしこの設定に変えると、ピントが合っていなくてもシャッターが切れるのでピンボケ写真を量産することになります。
「フォーカス優先」と「レリーズ優先」の使い方わけとして
動いていない被写体に対しては「フォーカス優先」
動いている被写体に対しては「レリーズ優先」
と被写体に合わせて設定を使い分けていただくと良いかもしれません。
被写体に近づきすぎている
レンズには「最短撮影距離」というものがあります。カメラのセンサー面から被写体までの距離のことで、これより近づきすぎるとピントが合わず、シャッターが切れません。例えばレンズの最短撮影距離が60センチだった場合、60センチ以上被写体に近づいてしまうとピントが合いません。
レンズの最短撮影距離はレンズごとに違いますので手持ちのレンズがどれぐらいまで被写体に近づけるか知っておく必要があります。レンズのスペック表に最短撮影距離の表示がありますので確認しておきましょう。
上の写真の赤丸部分は「距離基準マーク」と言い、ここがセンサー面になります。この位置から被写体のピントを合わせる部分までが「最短撮影距離」です。
レンズに最短撮影距離が表記されている場合もあります。上の写真のレンズは最短撮影距離が0.5mということです。
被写体が暗すぎる
カメラの性能によるところもありますが、撮影場所が暗かったり、被写体が暗かったりするとカメラのオートフォーカス機能が上手く作動せずピントが合いません。そのためシャッターが切れないということになります。被写体が暗い場合や夜間の撮影ではマニュアルフォーカスを使ってピント合わせをしましょう。
レンズを確実に装着する
レンズとカメラボディが正しく装着されていないとシャッターが切れないことがあります。一度カメラからレンズを取り外して再度装着してみましょう。その時レンズを回して「カチッ」と音がするまで回して確実に取り付けましょう。
レンズとカメラの接点を清掃する
レンズとカメラの間には電子接点があります。正しく装着されていないと電子接点によるカメラボディとレンズの通信がうまくいかないため、通信エラーなどが発生しシャッターが切れなくなります。この電子接点部分が汚れている場合は清掃をしましょう。
ブロアーでレンズとカメラボディの接点部分のホコリを吹き飛ばしたら、レンズの清掃で使うクリーニングペーパーで電子接点部分を軽く拭きましょう。
カメラが処理中のため
カメラがデータ処理をしている間はシャッターが切れません。
連写で撮影をするときや、RAWなど高画質モードで撮影をするときは撮影したデータの処理に時間がかかってしまいます。SDカードへの画像書き込みに時間がかかるため、その間はシャッターが切れません。その場合はカメラのアクセスランプが消えるまで待つ必要があります。この場合、書き込み速度の速いSDカードを使用すると改善されます。
また星空撮影などの時に「長秒時ノイズ低減」の設定がONになっていると、シャッタースピードの分だけ処理に時間がかかってしまいます。20秒のシャッタースピードだと撮影後の処理に20秒の処理時間がかかり、その間シャッターを切ることはできません。
SDカードの問題
SDカードの容量がいっぱいになっている場合や、SDカードの「書き込み禁止スイッチ」がLOCKになっていないかチェックしましょう。SDカードの抜き差しでこのスイッチがLOCK側になっていることがあります。SDカードは消耗品なので、抜き差しを繰り返すことでここのLOCKスイッチがゆるくなり、カメラに差し込むたびにLOCKがかかってしまうこともあります。
シャッターが遅れて切れる場合
◉ 「セルフタイマー」の設定がONになっている
セルフタイマーはシャッターを押した2秒後、10秒後などにシャッターが切れる機能です。セルフタイマーはすぐに設定できるようにボディの操作ボタンについていることが多いので、知らない間に設定をさわってしまいセルフタイマーになっていた!ということはよくあります。
◉ 「低振動モード」の設定がONになっている
低振動モードとはシャッターを押した時のカメラぶれを最小限に抑えるための機能で、これがONになっているとシャッターを押してから少し時間をおいてシャッターが切れるようになります。
「セルフタイマー」や「低振動モード」の設定の仕方、解除の仕方を説明書を読んで把握しておきましょう。いざという時にすぐに対処ができます。