コンパクトカメラの完成形コンタックスT2使ってみました【作例あり】

2022.01.12

今から30年ほど前の1990年、カメラ業界はまだフィルムカメラが主流で、様々な普及モデルのカメラが発売されていました。そんな中、普及モデルとは一段違った高級コンパクトカメラのブームが到来します。高性能なスペックと高品質なレンズで高画質。チタンなどの高級な外装に仕上げられた高級コンパクトカメラは未だ人気があります。今回は1990年に京セラから発売されたコンパクトカメラの完成形と言われた「コンタックスT2」をご紹介します！

コンタックスT2ってどんなカメラ？

高級コンパクトカメラの代表と言っても良いほど、未だにフィルムカメラファンからは人気の機種です。有名な写真家の中にも愛用者がたくさんいます。外装はチタン製で見た目にも高級感がありますね。レンズはカールツァイスゾナー、一眼レフにも負けない高画質な写りを実現しました。まずはコンタックスT2のスペックの詳細です。。

【コンタックスT2　スペック】

型式：35mmレンズシャッター式コンパクトカメラ（絞り優先プログラムAE式電子シャッター）

レンズ：Carl Zeiss T* Sonnar f2.8/38mm (4群5枚)

焦点距離：0.7 m から無限遠

フォーカス：オートフォーカス、マニュアルフォーカス

絞り：f/2.8 – f/16

シャッタースピード：8 – 1/500

ファインダー視野率：85％

ファインダー倍率：約0.6倍

ISO感度：25〜5000（DXコードがない場合ISO100に設定）

フラッシュ撮影距離： 0.7-3m（lSO100）

セルフタイマー：電子式（作動時間10秒）

フィルム装填：オートローディング式

電池： 3Vリチウム電池 (CR123AまたはDL123A)1本

大きさ： 119 x 66 x 33 mm

重さ： 295 g（電池抜き）

発売：1990年12月1日

発売時価格：120,000円

コンタックスT2の使い方とフィルムの入れ方

まずはフィルムの先端を少し引き出して、フィルム室に装填します。スプールと呼ばれる黒い筒状のものが左側にありますので、そこのオレンジの線までフィルム先端が届くまでフィルムを引き出してください。この時フィルムにたるみがないようにしてからカメラの裏ブタを閉めてください。もしフィルムの先端を出しすぎてしまった場合、フィルムのスプールを反時計回りに回すとフィルムが巻き戻ります。

裏ブタを閉めると自動でフィルムが巻き上がってくれます。この時にカメラ上部左側にあるフィルムカウンターが「01」になっていることを確認してください。このフィルムカウンターが「00」で点滅している場合はフィルムがうまく装填されていませんので裏ブタを開けてもう一度セットし直してください。メインスイッチをAFに合わせると電源ONの状態です。あとはレンズの絞りリングを回して好きな絞り値に設定すれば、シャッタースピードはお任せでカメラが設定してくれます。撮り終わったらフィルムが自動巻き上げしてくれます。

コンタックスT2の写り

さて写りの方はどうでしょうか？

フレーミングが少しあいまいです。切ったつもりでしたが右上に不要な文字が写り込んでしまいました。

カールツァイスのレンズで高画質、色もきれいに再現されますね。

AFの性能は少し残念なことも。ピントが合いにくい場面が何度かありました。ピンポイントにピントを合わせるといわゆる「中抜け」というピントを外してしまう傾向があるようですね。マニュアルフォーカスにも切り替えができ、レンズのダイヤルを回すだけなので中抜け問題はマニュアルを使うと良いですね。開放で撮ると背景もボケてくれます。

どんな撮影に向いている？

ポケットにも入るほどのコンパクトなボディと絞り優先AEで直感的な絞りの設定が可能です。このコンパクトさと機動力の高さはやはりスナップ撮影に最適なのではないかと思います。今回、神戸の街中を散策しながら撮影してみましたが、さっと撮ってさっとしまえる気軽さは撮影していてとても快適でした。ファインダーにも高級コンパクトカメラにふさわしくサファイヤガラスという素材が使われていて、耐久性と合わせてとてもクリアで見やすいです。最短撮影距離が70センチということなので、あまり被写体に近づきすぎるとピントが合わないので注意してください。シャッタースピードが1/500までしかないことから晴天時には絞り込まれてしまうので開放で撮影したい場合はISO100のフィルムを使ってください。

コンタックスT2が欲しい！故障品にご注意を

近年のフィルムブームによって中古相場は高騰しています。中古価格は販売当時と同価格の12万円前後とかなりお高め。故障品を購入してしまったり、トラブルに合わないようにするため、必ず中古カメラ専門店で購入しましょう。コンタックスT2は人気のあるカメラでしたので多くの中古品が出回っていますが、中には動作に問題のある個体も多くあります。不具合がないかよく調べてから購入してください。もし購入してから故障箇所が出てきたら、コンタックスの修理で有名な「リペアサービス諏訪」さんに相談してみましょう。