【初心者向け】覚えておきたい基本のカメラ用語集 その1
一眼レフ、ミラーレスカメラをこれから始めるよ!というみなさまこんにちは。
カメラはむずかしいと思われていますが、一度にたくさんのことを覚える必要はありません。最近のカメラは性能がとても良いので、とりあえずシャッターを押せばきれいな写真を撮ることはできます。しかしカメラを続けていると数々の専門用語が出てきてよくわからない!ということがあります。今回はカメラ初心者の方に向けて、覚えておきたいカメラ用語の解説をします。
絞りとは
レンズを通る光の量を調節する機構のことを「絞り」と言います。または「F値(えふち)」「絞り値」とも呼ばれます。
絞りの数字を小さくすれば光の量が多くなるので、シャッタースピードは速くなります。被写界深度(ピントの合う範囲)は狭くなります。絞りの数値を小さくすることを「絞りを開ける」とか「絞りを開放にする」と言います。
絞りの数字を大きくすれば光の量が少なくなるので、シャッタースピードは遅くなります。被写界深度は深くなります。絞りの数字を大きくすることを「絞りこむ」と言います。
絞りの数値はF1.4・2・2.8・4・5.6・8・11・16・22・32という数字で表されていて、この数字の数列は約√2倍(約1.4倍)で表されています。
シャッタースピードとは
レンズを通して入ってきた光を撮像素子(イメージセンサー)に当てる時間の長さのことを言います。秒単位で表され、1・1/2・1/4・1/8・1/15・1/30・1/60・1/125・1/250秒というように表示されます。
シャッタースピードが速いと動きのある被写体の一瞬をピタッと止めることができます。逆にシャッタースピードが遅いと動きのあるものはブレて写ってしまいます。
ISO感度とは
ISO感度(いそかんど)はフィルムの時代で言うフィルム感度のことで、フィルムにはISO50、100、400、800、1600、3200といったフィルムによってISO感度が決められていて、撮影状況によって撮影者が選んで使っていました。フィルム一本を撮り終わるまでISO感度の変更はできません。ISO感度の数値が低いものを低感度フィルム、数値の大きいものを高感度フィルムと言います。
デジタルカメラではフィルムの代わりになる撮像素子(イメージセンサー)に光を当てて撮影します。デジカメの場合はフィルムと違い、一コマづつ電気的に感度を変えて撮影することが可能でISO50〜51200といった超高感度まで上げることも可能です。
ISO感度はフィルムもデジカメもISO感度の数値が低い(低感度)ほど光に感じにくく、数値が高い(高感度)ほど微量な光にも感じやすくなります。また高感度になるほどシャッタースピードを速くすることができますが、ノイズが発生するのでISO感度を上げるほど画質劣化を起こします。
ISO51200で撮影したもの。ノイズだらけで画質劣化を起こしてます。
露出とは
露出(ろしゅつ)または露光(ろこう)とも言います。簡単に言うと写真の仕上がりの明るさのことです。明るすぎる写真のことを「露出オーバー」、また暗すぎる写真のことを「露出アンダー」と言います。
露出は先に説明した「絞り」と「シャッタースピード」の組み合わせで決まります。
明るすぎず、暗すぎず、ちょうど良い光で撮影することを「適正露出」と言い、カメラの撮影モードでプログラム(P)、絞り優先オート(Av)、シャッタースピード優先オート(Tv)などで撮影するとこの「適正露出」で写真が撮れます。
絞りとシャッタースピードの二つの要素を相対的に組み合わせると適正露出は得られます。
露出補正とは
基本的には露出を補正するということなので、写真が露出オーバー(明るい)や露出アンダー(暗い)にならないように明るさを補正することを言います。
±0を基準に+1〜+3明るくしたり、−1〜−3暗くしたり調整をすることができます。
撮影条件によりますが、被写体の反射率が高いものや画面内の明暗差の大きいものがあった場合、カメラが適正露出にならない場合があります。そこで適正露出に近づけるようにするのが露出補正になります。
◉ プラス補正
カメラが示した適正露出に対して、撮影者が任意に露出を明るくすることを言います。
絞り優先モードではシャッター速度が遅くなり、シャッタースピード優先モードでは絞り値が小さくなります。
【プラス補正が必要な場面】
画面内に白い被写体が多い場合。逆光の時や雪景色、真っ白な被写体のときはカメラが画面内が明るすぎると判断して、露出を暗いめに仕上げてしまいます。明るくプラス補正をすることで明るく撮影をすることができます。
露出補正なしで撮影すると雪がグレーっぽく写ります。
プラス補正で雪の白さを写すことができます。
◉ マイナス補正
カメラが示した適正露出に対して、撮影者が任意に露出を暗くすることを言います。
絞り優先モードではシャッター速度が速くなり、シャッタースピード優先モードでは絞り値が大きくなります。
【マイナス補正が必要な場面】
画面内に黒い被写体が多い場合。影の部分が多かったり真っ黒な被写体のときはカメラが画面内が暗すぎると判断して、露出を明るく仕上げてしまいます。暗くマイナス補正をすることでしっとりと落ち着いた明るさで撮影をすることができます。
カメラを勉強中の人や逆光時など適正露出が得られない場合には「段階露出(オートブラケット)」の機能を使いましょう。これは露出を0.3段、0.5段、1段というような幅で段階的に露出調整をする機能です。
カメラが示した適正露出を中心としてオーバー側、アンダー側とその露出の前後をカメラが自動的に撮影してくれるという便利な機能です。
露出補正は基本的に適正露出になるようにプラス側、マイナス側を利用して補正をするものですが、適正露出が正解というわけではありません。作品によっては適正露出ではなく、露出オーバーや露出アンダーにした方が作品の意図を表現することができる場合があります。写真を撮ることに慣れてきたら、露出補正は自分の作品イメージを高めるために使うということになります。