秋の紅葉撮影にオススメ!PLフィルターの使い方
11月に入ってから肌寒い日が続き、秋らしくなってきました。各地で紅葉が見頃を迎えています。キンモクセイの花の香りが例年より1ヶ月ほど遅かったなぁと感じます。今年は秋の季節が短いと言われてますが、街中でも緑だった葉が赤く色づいてきましたね。モミジやイチョウだけでなく、ソメイヨシノも赤く色づいてキレイですね。コキアも赤く染まりカワイイです。紅葉の撮影で思ったように色鮮やかに写らなかったという経験はありませんか?今回は秋の紅葉を美しく写すために必要な「PLフィルター」のご紹介です。
どんな撮影で使うの?PLフィルターとは?
PLフィルターは偏光フィルターとも言われ、レンズ前に取り付けて使用します。前枠(回転枠)と後枠(固定枠)の二重枠が付いていて、前枠(回転枠)を回すことで不要な反射する光を取り除き、色彩コントラストをコントロールすることができるフィルターです。
◉ 空を鮮やかに写す
白くかすんだような青空でも色彩コントラストを高め、深みのある鮮やかな青空が表現できます。太陽光が大気中にある分子に光が当たり、光の散乱が起きます。PLフィルターで光の散乱を抑えることで鮮やかな青空に写すことができます。
◉ 葉の表面の反射を取り除き、紅葉や新緑を色鮮やかに写す
紅葉や新緑の葉っぱの表面で生じるテカリをPLフィルターで除去することで、白っぽく写ってた赤や緑の色を色鮮やかに写すことができます。
PLフィルターなし
PLフィルターあり
◉ 水面の反射を取り除き、クリアに写す
海や湖の水面の反射を取り除くので水の中の世界をクリアに写すことができます。逆に反射を見た目以上に増やすこともできます。水たまりに写り込む雲や景色を、反射を増やすことでさらに水たまりへの写り込みを大きくするという方法もあります。
◉ ガラスの反射を取り除き、クリアに写す
ビルやショーウィンドウのガラスの反射を取り除くことができます。反射による不要なものの写り込みを除去できるので、すっきりと写すことができます。ただし、鏡や金属面の反射には効果がありません。
PLフィルターの使い方
PLフィルターは晴天時に使いましょう。曇り空ではあまり効果は得られません。ファインダーや液晶画面を見ながら回転枠を回してみて、効果を確認しながら良いと思える位置で止めてからシャッターを切りましょう。PLフィルターはレンズを向ける角度によって効果が変わります。僅かではありますが、レンズ面の反射による画質低下もありますので、保護フィルターをつけている場合は二重でつけるのではなく、保護フィルターを外してPLフィルターだけ取り付けましょう。
◉ 青空を鮮やかに写すときは90度
太陽の位置とレンズの光軸が90度の時がもっとも効果が強く出ます。回転枠を回してみて青空の鮮やかさの効果を確認しながら良いと思える位置で調整してください。
◉ 水面やガラス、葉っぱの反射を取るときは30〜40度
反射を除去するには斜めの位置から撮影をするのが効果的です。平面に対して30〜40度の位置で撮影するのが最も効果的です。
◉ 反射を強めることも可能
反射光を除去することばかりが良しということではありません。逆に反射光を除去できる位置から90度回転させると反射光を強めることもできます。表現によっては反射光を強めた方が面白い場合もあります。PLフィルターは反射光を除去するというより、反射光をコントロールするものとして表現方法を使い分けてみてください。
PLフィルターのデメリットと注意点
◉ レンズに入る光量が減ってしまう
PLフィルターをつけていない時と比べて1〜2段(光の量が1/2〜1/4)光量が落ちます。つまり、絞り優先モードで撮影している場合は、シャッタースピードが2〜4倍遅くなります。
◉ 広角レンズ使用時は偏光ムラに注意
青空を多く取り入れる構図の時に画面上で「偏光ムラ」「方効き」という現象が起きることがあります。これはPLフィルターの効果が効いているところと、効いていないところで青空の色にムラが出ることで、改善するには撮影位置を変えるか、太陽が高い位置にくる時間帯に撮影するなど対策が必要です。
画面左側だけPLの効果で青色が濃くなっている
◉ PLフィルターの寿命は7〜8年
PLフィルターに使われている偏光膜は熱や紫外線に弱いので、長く使っていると経年劣化を起こし、黄色っぽく変色していきます。そのまま撮影すると濁ったような色味に仕上がるので7〜8年で買い換える必要があります。使用頻度の高い場合はもっと早く劣化する場合もありますので、常時付けっぱなしにするのはやめましょう。保管するときは太陽光が当たらず、高温にならない場所でケースに入れて保管しましょう。劣化することから中古品のPLフィルターの購入はおすすめしません。
PLフィルターは風景撮影には欠かせないアイテムですね。出番は秋だけではありません。春なら青空を鮮やかに写すことで淡いピンクのサクラの色を引き出すことができるし、夏は海や湖の水面の反射を抑えて深みのあるブルーに仕上げてくれます。反射を取り除いたり、反射を強めたりと一年を通していろんな撮影に使っていただけます。ぜひ手に入れてその効果を楽しんでみてください。
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