フィルムカメラとデジカメ 写りの違いは?

フィルムカメラが大ブームな現在、これからフィルムカメラに挑戦してみようというデジカメ世代のみなさま、これから昔のフィルムカメラを再び復活させようとしているみなさまに必見です!!実際にデジカメとフィルムカメラで同じ被写体を同じ焦点距離、構図、プログラムオートで撮影してみました。どのくらい写真の写りに違いがあるのでしょうか?フィルムはデジカメでいうと何万画素?とか、画質はどちらが良い?といった小難しい話はなしです。どちらが良い、悪いという問題でもなくフィルム、デジカメどちらの絵が好きかという点にポイントを置いて写りの違いに注目してご覧ください。

フィルムカメラとデジカメ 撮り比べに使った機材

 

レンズ:スーパーEBC フジノンレンズ 28mm

 

開放F値:F3.5

 

 

レンズ XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS

 

この二台のカメラを持っていき、同じ構図で撮影しました、TIARA Ⅱ は単焦点28mmのレンズなのでX-T2の方はレンズの焦点距離を35ミリ換算で同じくらいの画角になるように18mmに固定して撮っています。

実際に撮り比べてみた画像

フィルムvsデジカメ フィルムvsデジカメ

さてこの二枚、どちらがフィルムでどちらがデジカメでしょうか?絵の違いははっきりと出ていますね。答えは上の写真がフィルムで下の写真がデジカメで撮ったものです。次にこちらの二枚はどうでしょうか?

フィルムvsデジカメ フィルムvsデジカメ

こちらも上の方がフィルムカメラで撮影した写真で、下がデジカメで撮影した写真です。フィルムカメラの方は写真の周りが少し暗く落ち込み、周辺減光が見られますね。とても印象的な仕上がりです。デジカメは見たままに近い写りです。緑の色再現も美しいですね。

 

 

 

どちらの絵が好きですか?

フィルムvsデジカメ

フィルムカメラで撮影

フィルムvsデジカメ

デジカメで撮影

粒状性とノイズの違い

フィルムの写りには独特の粒状性があり、高感度フィルムになればなるほど粒子は大きくなり、低感度フィルムになると粒子は細かくなります。

デジカメでも感度を上げればフィルムのような粒状性が出るのかと言えばそれは違います。デジカメでは粒子というよりもノイズという言い方になります。暗い場所を撮影した時にでるザラザラした質感は高感度ノイズによるものです。

 

 

 

これがフィルムカメラとデジタルカメラの写りの大きな違いかもしれません。フィルムが柔らかい描写とふんわりした雰囲気が出るのは丸い粒子の集まりだからでしょう。対してデジカメはピクセルという四角いドットの集まりです。そのため写りはシャープでエッジがあり、かっちり写るということです。ただし、フィルム写真の粒状感は写真をプリントで見て初めて感じられるものです。パソコンやスマホの画面で見てしまうとそれはデジカメと同じく、ピクセルで表示されてしまうのでフィルム独特の粒状感は感じにくいでしょう。やはりフィルムで撮った写真は、データ化してパソコンやスマホで見るのではなく、印画紙にプリントして鑑賞するのがベストということです。

フィルムvsデジカメ

フィルムカメラで撮影

フィルムvsデジカメ

デジカメで撮影

フィルムとデジカメの違いは写真の写りだけではない

今回はフィルムカメラとデジカメの写りの違いについて取り上げましたが、両者の大きな違いとして重要なことは「撮影時のプロセスの違い」にあります。単純に撮り比べて見てみると、写りの違いについては色再現が違っていたり、明暗差の違いもありますが、シャッターを押すまでの過程に大きな違いがあるということです。

 

 

・露出もピントも自分で合わせる必要があったり、自動巻き上げがついていなければ一枚撮るごとにフィルムの巻き上げが必要でとても手間がかかる

 

・現像するまでどんな風に写っているのかわからない

 

・撮影枚数に制限があるので一枚一枚を丁寧に撮影する

 

・一枚に時間をかけて撮影するので、その時の空気感や感情まで記録することがある

 

 

・露出オートでピント合わせもシャッター半押しするだけのオートフォーカスで簡単

 

・撮ったその場でどんな風に写っているのか確認ができるので、自分の思い描いたイメージに近づけることができる

 

・後から加工することも簡単

 

・撮影枚数も記録メディアの容量までたくさん撮れるし、失敗写真は後で削除できる

 

・見たままを写実的に記録することができる

 

私は10代の頃に「写ルンです」から写真を撮ることを始め、ペンタックス、ニコンとフィルムカメラを使い続けていましたが、デジカメが主流になってからは10年ほど写真を撮ることをやめていました。仕事柄、勉強のためにとソニーのミラーレスカメラを手に入れてみましたが、やはり撮影していても楽しくなく、ただの記録写真を撮るための道具になってしまいました。その後、富士フィルムのミラーレスカメラX-T1と出会い、デジカメなのにフィルム写真を撮っているような感覚に戻してくれたこのカメラとの出会いは大きなものでした。また今回の撮影で使用したティアラで久しぶりにフィルム写真を撮影し、写欲が湧き上がったのはやはりフィルムならではの写りに写真らしさを感じたからでしょうか。しかし最近のデジカメは高感度に強く、工場夜景や飛行機の夜景などシャープにメタリックに撮影できるのも魅力的だと思うし、夜スナップなんかも簡単に撮れます。マウントアダプターで昔のレンズを使うのも楽しいと思います。

フィルムカメラもデジカメも写りの違いや撮影プロセスの違いを楽しんで、使い分けをしてみてください。

 

今回の比較に使用したフィルムカメラの詳細はこちらも参考にしてください。

コンパクトでオシャレなフィルムカメラ「FUJIFILM TIARA Ⅱ」【作例付き】

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