七工匠 7Artisans 35mm F1.2 使用レビュー【作例あり】
今日は中国製レンズの話題です!最近ジワジワとカメラ業界で勢力を広めてきている、中国のレンズメーカーですが、安価なのに外観は金属製で作りは安っぽくなく写りもそれなりに写る、というものが多いですね。解像感とか収差云々の話はぬきにして、独特の写りや少し甘いピントとか周辺光量落ちと言った、まるでオールドレンズのような個性的な写りを楽しむことが前提です。そんな中国のレンズメーカーの一つである「七工匠」の7Artisans 35mm F1.2をご紹介します。
七工匠のレンズの評判は?
中国製と聞くと「安いけど品質がちょっと…」というイメージがありますが、近年中国のレンズメーカーの評判は良く、性能、品質、コスパの良さから人気がでてきています。日本のメーカーの製品と比べるともちろん性能は劣りますが、中国のレンズは「価格のわりに良く写る」という印象でしょうか。
こちらの七工匠のレンズもコスパの良いレンズが揃っていて、広角から標準域の単焦点レンズを発売しています。安いものだと一万円以下で購入できるレンズもあります。高額になりがちな開放F値の明るいレンズでも安価で手に入れることができるので、とりあえず明るいレンズを使ってみたいという人や、いろんな画角のレンズを揃えたいという人に人気です。品質の高い純正の10万円のレンズを1本買うよりも、中国メーカーのレンズを数本買って色々楽しむというユーザーも増えてきているようです。
また七工匠は「UFOレンズ」と呼ばれている18mm F6.3の固定焦点、固定絞りの個性的なUFO型レンズも発売しています。これはオリンパスのボディキャップレンズやGIZMONの Utulens(うつレンズ)といった商品と同じく、焦点は固定でピントを合わせる必要がなくスナップ撮影に向いているレンズです。この手のレンズは写りに解像感はなく、ぼんやりとした雰囲気で写るレンズが多いのですが、七工匠の「UFOレンズ」はシャープでとても良く写ると評判が高いようです。「七工匠」という名前から7人の職人さんが集まっているのでしょうか?コスパ良く、品質の良いレンズを作っています。
7Artisans 35mm F1.2のスペック
フォーカス:MF(マニュアルフォーカス)
対応撮像画面サイズ:APS-C
レンズ構成:5群6枚
絞り:F1.2-F16
絞り羽根:9枚
最短撮影距離:0.35m
フィルター径:43mm
長さ:約38mm
最大径:約57mm
質量:約150g
価格:20,700円(税込)
対応マウント:キヤノンEF-M、ソニーE、フジフィルムX、マイクロフォーサーズ
35ミリ換算で53ミリ相当の画角です。サイズはF1,2の大口径レンズとは思えないほどのコンパクト設計。外観はアルミニウム合金でしっかりとした作りになっています。絞りリングはクリック感がなく動画の撮影にも適しています。35ミリの画角なので、風景、ポートレート、テーブルフォトなど万能に使えるレンズです。
七工匠のレンズを富士フィルムのカメラにつけてみた!
コンパクトでクラシックなデザインがフジフィルムのボディにぴったりですね。
オシャレ ♪ です!
カメラの設定から「レンズなしレリーズ」をオンまたは許可に設定してください。
この設定をしないとシャッターがきれないのでご注意くださいね。
レンズの前玉側がフォーカスの調整になります。フォーカスはマニュアルフォーカスになるのでフォーカスピーキングを使ってピント合わせをしてください。初心者の人でも簡単にマニュアルフォーカスで写真が撮れます。
絞りリングはクリック感がないのでF値をアバウトに調整する感じになります。電子接点のないレンズなので撮影データ(Exif)に絞り値も記録されません。
7Artisans 35mm F1.2の作例(フジXマウント)
では写りはどうでしょうか?大阪の中之島界隈をスナップ撮影してきました。
絞りをF8程度ぐらいに絞り込んで風景を撮ってみました。優しくシャープという感じでしょうか。ビル群も柔らかい質感に感じます。
次は絞り開放F1.2で撮影してみました。ボケは滑らかですね。玉ボケ、ザワザワボケ、グルグルボケ、いろんなボケの表情がでます。開放F1.2なので動くものはピント合わせが超シビアになってきます。ハトさんに動かないでと指示を出すも当然ムシされピント合わせが大変です。ハトの後ろ姿に萌えます ♪
周辺光量落ちもいい感じにでます。オールドレンズ感があって良いですね。
前後のボケも自然にボケていく感じです。これからカメラを始めてみたい人や、お手軽に違うレンズを試してみたい人にオススメです。安い価格で性能も十分、コスパの良い中国のレンズに挑戦してみてはいかがでしょうか?