コンパクトでオシャレなフィルムカメラ「FUJIFILM TIARA Ⅱ」【作例付き】
今日は富士フイルムの初代「ティアラ」の後継機として1997年に発売された「カルディアミニ・ティアラII」というフィルムカメラの使用レビューです!
初代ティアラといえば、鳥取砂丘で前衛的な演出写真として有名な植田正治さんが愛用していたカメラです。いつでも気軽に持ち歩き、すぐに取り出してシャッターを切ることができるので「印籠カメラ」と呼ばれていたそうです。鳥取の植田正治美術館には愛用されていた初代ティアラが展示されています。
今回ご紹介するティアラIIは、28mm単焦点レンズですので風景から人物、スナップ撮影まで幅広く撮影できるカメラです。コンパクトボディでポケットに入るサイズ感はとても持ち運びしやすいカメラですね。高級カメラではないのにアルミ外装とシンプルなデザインが高級感を感じさせます。ティアラという名前だけあって女子ウケを狙ったのでしょうか。丸みのあるフォルムで上品なカメラという印象です。オートフォーカスで自動巻き上げ、フィルムの装填もとても簡単にできますので、初心者の人でも扱いやすいカメラとなっています。
【ティアラIIの仕様】
レンズ:スーパーEBCフジノンレンズ28mm 4群4枚
開放絞り値:F3.5
シャッタースピード:1/2〜1/800秒
ISO感度:50〜1600(DXコード対応)
最短撮影距離:0.35m〜∞
セルフタイマー:あり
電源:CR2×1個
サイズ:99.8mm×60mm×31.5mm
重量:155グラム
初代ティアラの発売後、1996年に「カルディアミニ・ティアラズーム」という28mm〜56mmのズームレンズを搭載したモデルも発売されています。 ティアラ同様コンパクト設計でアルミ外装の小型軽量機です。
フジフィルムといえば「KLASSE」や「NATURA CLASSICA」がとても人気ですが、中古相場は高く7万円ぐらいします。こちらのティアラIIなら2円前後と購入しやすい金額ですね。中古品で購入時の注意点としては、アルミ外装なのでボディにヘコミがないか良くみてください。また、ボディのレンズカバーをスライドさせて電源を入れる仕様ですので、ちゃんとレンズが出てくるか動作確認をしましょう。
レンズはSUPER EBC FUJINON 28mmレンズです。EBCは(Electron Beam Coating)の略で、1971年以降から採用されている技術で、電子ビームコーティングする多層膜蒸着技術の開発により11層のコーティングがされているそうです。なんだか難しくて良くわかりませんが、とにかく色再現性の高いもののようで「EBCレンズは写りが良い」ということです。現在の富士フイルムのレンズにもSUPER EBCという表記があります。
初代TIARAとTIARA Ⅱのちがい
初代のTIARA は1994年12月に発売され、2年3ヶ月後にTIARA Ⅱが発売されています。大きな仕様の違いはありませんが、地味に改良されている点があります。
◉ストラップ取り付け位置の違い。初代はボディ底部の三脚穴にねじ込むタイプ。II型はストラップ取り付け金具がボディ側面についていますので、ネックストラップも取り付けしやすくなっています。
◉電池蓋の改良。初代は電池蓋が固定されていないので紛失しやすいという点がありましたが、II型の電池蓋は一部固定されているので紛失することはありません。
◉液晶パネルの品質の違い。初代ティアラは液晶パネルの不具合が多い個体が多いそうです。II型は改良されているようですね。中古で初代ティアラを購入するときは注意してください。
◉生産国の違い。初代はメイド・イン・ジャパンですがII型はインドネシア製です。
FUJIFILM TIARA Ⅱ フィルムの入れ方
フィルム装填の仕方はとてもかんたんです。裏蓋をあけたらフィルムの先端を写真のように長めに出して上から差し込み、蓋をしめるだけです。その後自動で巻き上げが始まります。このカメラはドロップインローディング(DIL)方式と言って、一度カメラ内にフィルムを全て巻き上げて、一枚撮影ごとにフィルムパトローネ(フィルムケース)内に戻っていくというフジ開発の方式です。この方式のメリットは間違えて撮影中にカメラの裏蓋を開けてしまっても、撮影済みフィルムはパトローネ内にあるのでフィルムが感光されてしまうという事故が防げるようになっています。撮影者の立場になってカメラを開発する富士フィルムらしい機構ですね。
FUJIFILM TIARA Ⅱの写り
周辺光量落ちがとても良い味をだしていると思います。
フラッシュ撮影も可能。
最短撮影0.35メートルまで近づけます。猫ちゃんとも適度な距離感。
いかがでしょうか。全体的にシャープな写りでコントラストもしっかりしていますね。
使ってみた感想は、コンパクトでポケットに入るサイズなので気になった時にすぐに写せるということ、街中でもさっと取り出せて周囲に気づかれることなくスナップ撮影ができるという点が良かったです。常に持ち歩きたいカメラですね!