フィルムの正しい保存方法は?
知ってますか?実はフィルムは「生モノ」なんです!!フィルムを購入したことがある人は知ってるかもしれませんが、フィルムには「使用期限」というものがあります。つまり生モノなので使用期限を過ぎるとどんどん劣化してしまいます。
たまに「このフィルム賞味期限切れてるけど大丈夫かなー?」って聞いてくる人がいます。そう聞かれたら「食べたらダメですよ」としか答えれません(笑)
さて、フィルムは使用期限を過ぎるとどうなっていくのでしょうか?生モノなのでちょっと保管に気をつけてあげないといけません。今回はフィルムの正しい保存方法についてのお話と、フィルムのちょっとした豆知識のお話です。
フィルムの売ってる場所
もちろんカメラ専門店、写真屋さん、家電量販店、ネットショップなど
ただし、コロナ禍における部材の調達不足によりフィルムがたくさん生産できない状況が続いています。価格の改定もあり値上がりもしています。3年前ぐらいから富士フィルムやコダックのロゴを不正利用した非正規品も出回っているのでニセモノに注意しましょう。
フィルムの選び方と注意点
フィルムには色々と種類があります。一般的なフィルムカメラであれば135フィルム(35ミリ判フィルム)を購入しましょう。カラーとモノクロフィルムがあります。最近少なくなってきたと思いますが、Prosess ECN-2と表記されたフィルムは映画用フィルムを写真用フィルムパトローネに詰め込んだ商品で、日本国内では現像ができませんので購入時は気をつけてください。「Prosess プロセス」というのはフィルムの現像処理方法のことです。
一般的なネガカラーフィルムであれば「Prosess C-41」「Prosess CN-16」とフィルムパッケージに表記されています。
フィルムパッケージにCN-16、C-41の表記があります
フィルムはどう保存する?
フィルムは時間が経つと劣化してきて、画質が低下してしまいます。フィルムに有効期限(使用期限)があるのは、感光材料をフィルムに塗布するときに使われるゼラチンが時間とともに劣化するためです。フィルムは高温、多湿、明所、有害ガスなどの影響を受けてしまうと劣化が進んできて色味の変化、色の退色、コントラストの低下がみられます。
フィルムの正しい保管方法としては、できる限り低温で暗い場所に保管をするのがベストです。
未使用のフィルムを長期間保管する場合は、ジップロックなど密閉できるビニール袋に除湿剤と一緒に入れて冷蔵庫で保管しましょう。一年以上保管したい場合は冷凍庫へ保管してください。冷蔵庫、冷凍庫へフィルムを保管した場合は結露防止のため、撮影前にしばらく室温に戻してから使用するようにしましょう。
現像後もフィルムは劣化します。ビネガーシンドロームに注意!
現像処理後のフィルムも時間とともに劣化してきます。代表的なものとしてビネガーシンドローム(酢酸化症候群)というフィルムベースが加水分解によって劣化してきて、ベトつきや白い粉、変形やヒビ割れが生じる現象がおきます。
初期段階では酢酸化症候群というだけあって酸っぱいにおいがしてきます。私の家に保管している25年前ぐらいに撮影したフィルムがビネガーシンドローム状態で箱を開けたら酸っぱいにおいがすごいです。
フィルムは現像したらネガをデータ化しておく
現像後のフィルムは時間とともに劣化してきて、ビネガーシンドロームによる劣化や色の退色がおきてしまい、写真全体が青くなってしまったりコントラストの低下が現れてしまいます。せっかく撮った大事な写真の画質がどんどん悪くなってくるので、フィルムは現像したらデータ化しておきましょう。自宅でフィルムスキャナーを使ってパソコンに取り込んだり、写真屋さんでCD-Rにデータ化をしてくれるサービスもありますので早めにデータ化することをおすすめします。
期限切れフィルムの注意点
最近ネットオークションなどで手に入れることができる「期限切れフィルム」について。これはフィルムの使用期限の切れたフィルムのことで、あえて劣化したフィルムの色調や写りがオシャレとかエモいという理由でブームになっています。期限切れフィルムを手に入れたとしても、必ずエモい写真が撮れるわけではありませんので期待は禁物です。ほとんど写らない、一枚でもあたりがあればOKぐらいの感じで期限切れフィルムを一か八かで楽しみましょう。思い通りにはまず撮れないので、もしかしたら思わぬ大傑作が生まれる可能性もありますが。期限切れフィルムはISO感度が落ちているので少し明るめ(プラス補正)で撮影するのがポイントです。
コダックのコダクロームというリバーサルフィルムはProcess K-14という現像処理方法で現在では現像をすることができませんので、購入するのはやめましょう。